2012年2月2日 岡崎さんとの会話まとめ

テーマ「農家の現実・意欲・関心」 

 ※会話の脈絡は無視、内容のみを自分なりにまとめたもの

 

・兼業農家が多い理由

 市場を通じて生産物を売ると、販売先に届くまでに間を多く挟むため、生産者の収入は極端に少ない。(例:市場に出荷→買い手決定→トラックで輸送→スーパーに陳列、100円で売れたとして、農家に入るお金は30円程。ビニール包装等の費用は除く。) 高く売りたくとも、買い手が値段をつける市場では、そのようなことも叶わない。

 こうした場合、栽培にかかった費用を除いて手元に入るお金はわずかしかない。場合によっては赤字のことも。 一方、農機は5年程で買い換えなければならないため、その費用を定期的に用意しなければならない。農業だけではその費用を捻出できないので、農業以外の仕事をしなければならない。兼業農家は農機の費用を得るために副業をしているという。

 

・農家の収入が少ない理由

 岡崎さんの場合、20年程前は、キュウリが良い値段で売れて貯金もある程度できていた。けれども、近年は外国の安い野菜による値段の下落、ハウスの暖房の燃料である重油の値上げ、入る分が減り出る分が増える、その結果、収入は極端に減少した。

 海外との価格競争では、日本の国土面積と人口密度を考えれば劣ることは想像に難くない。そうなると、さらに労働に、努力に見合わない報酬となってしまう。少なくとも、今の農業と呼ばれるものでは、これを改善する術はない。

 さらに言えば、収入が少ないがゆえに兼業農家でなければならず、兼業農家であることで田畑に割く時間が少なく、現在の手間の少ない農薬と化学肥料の農業から抜け出すことができないという悪循環に。農家であるのにもかかわらず、完全な農家では食っていけないというのが市場出荷の現状。

 

・楽な農業をする他の理由

 農業の先にある求める柱が利潤しかなく、その利潤を追求するには、値段の決められない市場で作物を出荷する場合、楽な農薬と化学肥料を使った手法で作物を栽培する。ただ、自分達で食べる分は農薬を使わずに、もしくは減農して栽培している。農薬が悪いものだと知っているからだ。この両者の違いは関係性の違いだと考えられる。知っている人に農薬を使った野菜を食させるのは抵抗があっても、知らない誰かが食べるのには関心がない。

 

・農家の無関心

農業の先にある柱が一本しかないため、利潤を追い求める農薬や化学肥料を用いる工場で機械を組み立てるような等品質かつ簡易作業の農法結果となっている。農家の関心が消費者に向けば、その柱が利潤と消費者になり、安全な野菜を栽培するようになるだろうが、現状では変わることができないでいる。自分を主体として考えており、農家のプロであると自負しているため頑なである。足利さんに言わせると、農家は毎年一年生であるとの考え方で、謙虚な姿勢でなければならないとのこと。

 

・新たな柱の追加

 利潤の他に柱を、目指すものを持ってもらうには、その利潤に加えるように、+αの形でなければ進んで入ってこないと思われる。市場に出すのとは違った販路を確保し、生産者と消費者の関係が近いものとなる場所で売る。互いが互いのことを知り、互いのために売買をするのであれば、消費者は多少高くても安全で信頼できる人の野菜を買う。生産者は消費者を知り、無関心ではなくなる。知っている相手ならば市販のよりも安全な野菜を提供する。両者の関係が近くにあり、互いが互いを気遣うのが理想だと考えるが、現実は安全性や美味しさによる競争の結果、値段よりも質の良い方に淘汰されるのだろうが。

 ボランティアによる農家への手助けも、ある意味消費者と生産者の良き関係を築くものであるため、今後の働きの中に農家との関係作りも必要かもしれない。少なくとも、岡崎さんは、農家の現状や生産者の声を聞き、良いものを作ろうとする気持ちを共感してくれることはとても励みになるとおっしゃっていた。

 

あさどりの立ち位置

 農家の近しい販路として用いられるのは当然として、生産者と消費者の関係を身近なものとすることを何よりの目的とできればと、現段階では考えている。また、販路をより広げ、質の良いものを手に入れられる場としても。良くしていく案は常時募集中。

 

 案1:野菜の履歴書

  野菜がどのように育ったのかを記録し、写真などを加えて野菜の経歴を示す。農薬の量や肥料の種類、育ち具合など。

 案2:調理法の講習

  取り立ての野菜を漬物などに加工する手段を教え、より美味しく食べる方法を知る。

 案3:生産者の声と消費者の声の交換

  直接会って色々と話す手段もあるが、生産者が野菜に対してコメントを残し、それを食べた消費者が感想を送るという形もありだと思う。宅配であれば、手紙を同封したりする。

 案4:コミュニティ形成の場

  野菜を買うだけでなく、憩いの場として、楽しめる場として、色々とできるようにする。野菜を買いにくるのがついでで、あさどりで時を過ごすために足を運ぶというのが理想。イベントがあれば人を誘いたくなるように楽しい場所に。

 

・今後の農家

 この津波が、農家が変わる良い意味でのきっかけとなるのかもしれない。農薬の問題、TPP、利潤のみの追求、このような形ではなく、農家として、野菜を消費者に食べてもらい、美味しいと言ってもらえるような、美味しいと言われることに感動を覚えるような、食と人間関係の良い関わりを築けるように。

 

・南部教会へ

 岡崎さんと話したところ、ホサナキャンプで泥遊びをしたいという悠くんの野望が叶うようです。近くの田んぼを使っていいとのことで、寝かせるよりは田んぼをかき混ぜられてむしろ良いのではないと。あさどり市場ができているのであれば、そこでイベントをするのもありだし、開いてる土地にテントを張るのもありとなっています。企画案のひとつとして捉えてくだされば幸いです。