地下水の測定に向けて

 木内先生に、住み始めた頃は暇だろうから、地下水の塩分濃度でも測ってみたらどうか、と言うことを聞きましたので、来週はハウスのある家を主に廻って見ようかと考えています、

 それに向けて塩分濃度、電気電解度(EC)について調べたことを少し書きたいと思います。

 

 今回、測定を目指している元素は塩素(Cl)です。塩分濃度はECの一部分であるのみであるため、通常はECとは異なる結果を示すのですが、津波、つまり海水による被害の場合は、主にClについての値を示し、両者は比例に近い関係を示します。そのため、どちらを指標としても、土壌、もしくは用水上の塩害に関して計測できるのです。

 地下水に関して調べると、除塩に使用できる地下水のEC指標値は0.4mS/cm以下(農産園芸環境課・農業振興課)となっています。これがどの程度の値を示しているのうまく説明できないのですが、耐塩性のない作物は土壌EC値が0.4mS/cmで塩害を示してしまうので、育てる作物次第ではこれでも高い値となります。また、水は乾くと塩類集積が働き、土壌EC値はこれ以上になることでしょう。

 地下水のEC値を調べる中で、日本農業新聞の興味深い記事を見つけました。

 

地下水塩害 改善へ ろ過後EC3.6⇒0.25に 小型浄化装置に期待 来年から普及 宮城県  (12月09日)
(日本農業新聞 http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=11222)
 東日本大震災に伴い津波の被害を受けた地域で農業に利用する地下水の塩分濃度が高い問題で、農研機構・農村工学研究所と宮城県は、食品業界で飲料水用に普及している小型の水質浄化装置が農業用にも使えることを確認した。試験では毎日1トンの地下水をろ過し、塩分濃度の指標となる塩類集積濃度(EC)の値は3.6から0.25に下がった。同県は、農作物で最も塩分に弱いイチゴの用水の限界値として0.7を示しているが、それを下回った。県は来年から普及を始める考え。大規模農家には大型の装置を勧める。国の半額補助も出る。
 被災した一部の農地周辺では、震災による地盤沈下や地下水脈の変動などが重なり、地下水の塩分濃度が高い状態が続いている。農業用に地下水を使ってきた農家は、震災後、海水をかぶっていない地域から地下水をくんできては畑にまいているため、手間と時間がかかっている。
 水質浄化装置では、逆浸透膜という特殊なフィルターに圧力をかけて地下水を通すことで、不純物を含む液体から水分子だけを取り出せる。試験では地下水を1日ろ過したところ、ECの他、ナトリウムイオン濃度も580ppmから110ppmに、塩素イオン濃度も1200ppmから100ppmになり「イチゴを裁培できる値に下がった」(県農業・園芸総合研究所)という。
 この結果を受けて来週から、JAみやぎ亘理いちご生産連絡協議会の宍戸孝行会長が亘理町で試験的に使う予定だ。収穫期を迎えているイチゴの栽培では、10アール当たり毎日2トン以上の用水が必要。例えば軽トラックでは一度に500リットルしか積めないため、用水の確保で4往復しなくてはならない。その手間と時間が、水質浄化装置を2台置くことで解消できる。
 宍戸会長は「水道水を使えれば良いが、それができない農地があるので浄化装置はどうしても必要だ」と指摘。地下水をくみ上げてろ過した後、ハウスの地面を掘って造ったプールに一度ためて、他のハウスにチューブで水を送る。
 農村工学研究所によると、この装置で農業用に地下水をろ過するのは初めて。今後、フィルターが目詰まりしにくい工夫や配管の方法など、農業での最適な利用法を探る。同研究所農地基盤工学研究領域の石井雅久主任研究員は「来年早々にも装置の使い方でマニュアルを作る。宮城県以外でも地下水の塩害が問題になっているので、そうした地域でも使えるようにしたい」と話す。
 試験的に使う浄化装置は専門販売会社アクア・カルテック(千葉市若葉区)が47万2500円で販売している。
 同県農業・園芸総合研究所によると、地下水の代わりに雨水を利用する手もある。ただ、東北地方の太平洋側では冬季に雨量が少なく
十分な用水を確保できないという。

 

 正直、地下水の塩除手段に関してEMを使うのは難しいと考えていたので、こういった手段を地下水の測定の際に伝えられたらと考えています。地下水の塩除にEMがどうかかわれるのか、その判断は僕にはできないので、今度足利さんに聞いてみたいと考えています。最終的な結果はそこまでお預けということで。

 

 

 それと、EM農法と言っていいのかわかりませんが、EMによる水田の栽培に関して比嘉照夫の記事を見つけたので紹介します。

 

比嘉照夫 2011年5月13日 (一部改変)

(http://c.fc2.com/m.php?_mfc2u=http%3A%2F%2Fdndi.jp%2F19-higa%2Fhiga_43.php :携帯サイト)

 農水省は、今回の津波の被害を受けた水田の除塩事業に、多大な予算を計上し、認められたが、その内容に多少のミスマッチがある。先ず、水稲が、どの程度の塩分に耐えられるかという確たる知見のないまま、水田に石灰をいれ、EC(電気伝導度で海水は15~20)が0.3以下になるまで、水を入れ損拌し、排水を繰り返すことを前提としていることである。水稲は水を十分張っておけば、ECが1.0~2.0でも正常に育つものである。
 日本は雨が多く、1日や2日、畑地や水田が海水につかっても、梅雨が例年通りならば、特に、石灰を入れたり、除塩する必要はないと言っても過言ではない。表面のヘドロが厚い場所は、取り除く必要があっても、2cm~3cm程度であれば、半年くらいでは、地力になるものである。5月上旬現在、海水が流れ込んだ水田をよく観察すると、次の事があきらかである。畦の雑草が青々となっている所は、除塩は不要である。被災地の水田で畦の草が海水で枯死している地域は、除塩は必要と思われるが、そのような場所は、極めて例外的である。農水省のマニュアル通り行うと、川や海を汚染し、水田は地力を失ってしまうことになる。
 田植えの段階で、土壌のECが3~4のレベルでも水を十分に張ってあれば、初期の稲は正常に育つものである。問題は出穂期までEC値が3~4のレベルのままであると白穂となる危険性はあるが、梅雨が平年通りであれば、EC値は、放っておいても0.5以下になるものである。
 危機管理という立場から考えると、何はさておき、給排水ポンプをリース方式ででもセットし、機能させ、沿岸部の緊急措置を行い、田植をやらせることである。水が通れば、自然に除塩され、EMを併用すれば、むしろ豊作になったと思われるが、例え、EMを使わなかったとしても、次年度までには、完全に復旧することも可能である。したがって、農水省は、水田の除塩は、梅雨明けて、ECが4.0以上の水田を対象に行ったほうがよく、それ以下の水田の除塩は不要である。